企業型DC(企業型確定拠出年金)のメリット・デメリット
税制面で有利になる資産運用の第3弾、企業型DCについて解説していきます。
第一弾はNISAについて。↓
第二弾はIDECOについて。↓
企業型DC(企業型確定拠出年金)とは
企業型DC(企業型確定拠出年金)とは、企業が掛金を毎月積み立て(拠出)し、従業員(加入者)が自ら年金資産の運用を行う制度です。
IDECOは個人が自分で口座を開く所から、掛け金を決めたり商品を選択したりと、全てを自分で決めて運用するのに対し、企業型DCは殆どの事を企業が代わりにしてくれます。
あなたがする事は、運用する商品の選択と掛け金の配分のみとなります。
勤め先が企業型DC制度を導入していれば、原則的には自動で加入する事になりますが、企業によっては選択制を導入している企業もあります。
企業型DCは福利厚生のひとつと捉えられています。
企業型DCの掛け金は?
掛け金については各企業ごとに、役職等を考慮して決められるのが一般的です。
しかし、制度上以下の上限が設定されています。
他の企業年金がある場合 | 月額2万7500円まで |
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他の企業年金がない場合 | 月額5万5000円まで |
企業型DCのメリット
基本的にはIDECOと同じメリットとデメリットと言えます。
どの銘柄を購入しても、比較的安心して運用する事ができる。
取扱商品は金融庁が厳選した銘柄のみで構成されています。
つまりどの商品を選択しても、ある程度安心して運用する事ができるようになっています。
掛け金が全額「所得控除」対象となり非課税扱いになる。
企業型DCで積み立てた金額はすべて所得控除の対象になるので、非課税扱いになります。
運用した時に出た利益に対して課税されない。
通常の株式運用で利益を得た場合は約20%の税額があるのに対し、企業型DCで利益が出た分については課税されません。
受け取り時にも受け取り方によって税金面で優遇措置がある。
60才になって、年金を受け取る時に、
年金型で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用されます。
一時金型で受け取る場合は「退職所得控除」が適用されます。
企業型DCのデメリット
60才になるまで引き出すことができない。
一度掛け金を収めると、原則60歳になるまで掛け金を引き出すことはできません。
一時的に掛け金を停止する事はできますが、解約して返金してもらう事はできなくなります。
この点はIDECOとも共通する最大のデメリットとなります。
早期に退職した場合、掛け金が掛け捨てになる場合がある。
会社のルールによって違うのですが、早期退職(3年未満)に退職すると、掛け金の全額、もしくは一部を企業に返還しなければならない場合があります。
企業型DCに加入している企業を退社した時はどうなるの?
別の企業に転職する際に、確定拠出年金の口座を、次に勤める勤務先の企業へ移管する事ができます。(ポータビリティ制度)
しかし在籍期間が3年未満の場合、持ち運びできない場合があります。
転職先が企業型DCを導入していれば、転職先の企業の口座へ移す事ができます。
転職先が企業型DCを導入していない場合は、IDECOの口座を開設し、そちらへ移す事ができます。
掛け金が掛け捨てになる心配はありません。
退職金との違いは?
どちらも退職金と同じ老後のための資金の積立になるのですが、両者には性質の違いがあります。
掛け金:会社か自分、または共同で積み立てる。
受け取れる金額:運用次第で変動する。
転職時:口座を移管する事ができる。
会社倒産時:社外積立なので全額保全される。
掛け金:会社が準備する。
受け取れる金額:各会社の規定で決まった金額。
転職時:年齢や勤続年数等会社の規定により決まる。
会社倒産時:社内で積み立てられている場合は最悪受け取る事ができない。
入ったほうが良い人、入らないほうが良い人
企業が企業型DCへの加入を選択制にしている場合、入ったほうが良いのかどうなのか迷いますよね?
そこで入ったほうが良いケースと、入らないほうが良いケースをアドバイス。
その会社に骨を埋める覚悟がある人。
上記以外の人。

あくまで僕の意見ですので。